効果別 肌トラブル改善のための食品&ハーブ18選 

タラコママ
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こんにちは漢方薬剤師タラコママです

4月後半にさしかかり、花粉や黄砂をたくさん浴びて鼻炎症状のみならず、お肌の調子も悪くなってしまった方も多いのでは。2023年は記録的な花粉の飛散量が観測され、今まで花粉症とは無縁だったけど今年はなんだか鼻の調子や肌トラブルが気になりはじめたというお話も良く聞きます。私は結構ひどめの花粉症もちですが、アトピーの症状もあるので花粉の時期だけでなく年中お肌トラブルはつきものです。肌の調子が崩れるたびに、外側からのケアだけでなく内側からのケアも大切だと実感している今日この頃。今回はお家で気軽に取り入れることのできる食品やハーブをお肌トラブルの種類別に18種類ご紹介したいと思います。

お肌トラブル別のおすすめ食材&ハーブ

乾燥

しろきくらげ

しろきくらげは、美肌効果の高い食物繊維や多糖類を多く含みます。シロキクラゲ多糖類と呼ばれる多糖類には大量の水分を保持する力があり、その保湿性はヒアルロン酸を凌ぐとも言われています。保湿以外にも、メラニンの生成抑制、皮膚の修復、角質の保水などの高い美肌効果が期待されます。また、お肌だけでなく体を潤す作用があるので、喉の乾燥や空咳への効果も期待できます。同じく肌や気管支に潤いを与えるクコの実と一緒に摂ることで保湿効果はアップします。

タラコママ
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しろきくらげとクコの実は中華料理でも見かける組み合わせだね

白胡麻

体を潤す作用が強い白胡麻は、肌の乾燥を防いでくれるため美肌効果が期待できます。また潤腸作用があり便秘の改善にも効果的なので、便秘による吹き出物への効果も期待できます。同じく肌に潤いを与える効果のある蜂蜜との相性も良いため、混ぜ合わせてパンに塗るのもおすすめです。

チーズ

チーズにも肌を潤す作用があるので肌のかさつきを改善する作用があります。また、肺や粘膜にも潤いを与えてくれるので、空咳や喉の乾燥にも効果的です。

蜂蜜

蜂蜜には糖分やビタミン、ミネラル、酵素が豊富に含まれているため、食用だけでなく薬用としても親しまれてきました。私の勤めていた薬局では桂枝茯苓丸の丸剤を薬局製剤として製造していましたが、この時粉砕した生薬をこねるために使っていたのも蜂蜜でした。皮膚や肺、腸に潤いを与えてくれるので、肌の乾燥、空咳、便秘に効果的です。また栄養価が高いので疲労回復の効果も期待できます。

ごま油

肌や腸に潤いを与えて便秘や乾燥肌を改善する作用があります。ごま油の主成分はリノール酸とオレイン酸ですが、このリノール酸には高い保湿効果があり、肌の乾燥だけでなく肌荒れやニキビの予防にも役立つと言われています。

ごま油を肌に塗ると、肌から直接ごまの成分を吸収することができます。その皮膚への浸透性から、食品として接種するだけでなくスキンケアアイテムとして使用することもできます。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでも、体内の毒素を排出させるとしてごま油が使われれることが多いです。

タラコママ
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紫雲膏(しうんこう)という塗り薬を作るときにもごま油が使われているよ

その他の乾燥に効果がある食材

くろごま(かゆみにも効果あり)、ヨーグルト、亜麻仁油、オリーブオイル、バターなど

肌のざらつき いぼ

ハトムギ

ハトムギはイボに効果があると言われ、昔からお化粧やお茶として親しまれてきました。種の殻を除いて乾燥させたものは薏苡仁(ヨクイニン)という名前で生薬として使われています。ハトムギは他の穀類と比べてタンパク質を多く含んでいるため新陳代謝が促進されます。そのタンパク質の量は精米の2倍。その他にも、ビタミンや鉄分、カルシウム、脂質などを豊富に含んでいます。ハトムギ特有の成分であるコイクセラノイドはタンパク質の一種なので、肌の角質細胞の代謝を高める働きがあります。また、体の新陳代謝を促進させる効果が期待できるので肌のターンオーバーを活性化させるだけでなく抗アレルギー作用も期待できます。食物繊維が豊富なためデトックス効果が高いので、イボだけでなくシミ、そばかす、ニキビなどの肌トラブルを抑制したり改善する効果が期待できます。

吹き出物・腫れ物

菊花

菊花は日本では生食されることが多いですが、中国では乾燥させてお茶で飲まれるのが一般的です。デトックス効果が期待できるので、吹き出物や便秘に効果的です。気の巡りを良くしてくれるので、イライラしたり気分を落ち着けたい時にもおすすめです。

ごぼう

ごぼうは発汗や利尿により身体の余分な熱を取り除くので、熱をもった腫物や吹き出物に効果的です。水溶性・不溶性の食物繊維を豊富に含むので、便秘の改善や老廃物の排出、血中のコレステロールを吸着して動脈硬化の予防や糖尿病の改善効果が期待できます。天ぷらや煮付け、スープなど色々な調理法で楽しむことができるごぼうですが、実は日本以外ではあまり食べられることはないというから驚きです。中国も食材ではなく薬用として使われています。種は牛蒡子(ごぼうし)と呼ばれ、解熱、解毒、去痰、排膿作用があることから、風邪薬、皮膚炎の薬、乳腺炎などの婦人科系の漢方薬に配合されています。

さといも

里芋にはデトックス効果があります。瘀血の改善作用があり、汚れた血(けつ)を浄化してできものや腫れ物を消すという作用も。また食物繊維が豊富なので腸内環境を整えることによって美肌効果が期待できます。

金銀花

金銀花は身体にこもった余分な熱を冷ます効果が高いため、中国では夏バテ予防にお茶の代わりに飲まれています。熱による腫れを解消する作用もあるので、風邪の初期や喉の腫れや痛み、皮膚の化膿などを改善します。先ほどの菊花にも同じく熱を冷ます作用があるので、夏バテ対策にブレンドティーでいただくのもおすすめです。

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その他の吹き出物・腫れ物に効果のある食材

ゴーヤ、さやえんどう、山梔子、クラゲ、菜の花、緑豆

打撲

打撲に効果があると言われている生薬として、三七(さんしち)、姜黄(きょうおう)、川芎(せんきゅう)が挙げられます。食品というよりは薬用として扱われることが多いのでお家で気軽に取り入れることは難しいです。これらの生薬は漢方薬の方剤に配合されています。その中でも、川芎が配合される治打撲一方は割とポピュラーな漢方薬でドラッグストアで取り扱いがあることもあります。打撲による腫れや痛みがある方やあざができやすい方は、ドラッグストアで薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。

美肌効果

ハイビスカス

ハイビスカスの中でもローゼルという食用の品種が用いられます。栄養素としてビタミンCを含んでいるのでハーブティーでいただくと酸味がありとても爽やかです。美肌効果が期待されますが、この時山査子も一緒にいただくと瘀血の改善効果がアップして美肌効果、シミ予防も期待できます。

こめこうじ

米に麹菌を繁殖させて作られたこめこうじは、日本の食文化に欠かせない発酵食品です。麹菌は発酵の過程でたくさんの酵素を分泌しますが、この酵素には新陳代謝をアップさせる働きがあります。また、こめこうじに含まれるビタミンB群、アミノ酸、コウジ酸からは美肌効果や疲労回復の効果が期待できます。こめこうじから作られる甘酒には、を補う作用があるので、疲労回復や腸内環境改善による免疫力アップの効果が期待されます。甘酒は、その栄養価の高さから飲む点滴とも言われています。

こめこうじはきのこと一緒に食べよう

麹菌には、腸の善玉菌を活性化させるプロバイオティクスの働きがあり、きのこの食物繊維には善玉菌のエサとなって増殖を促すプレバイオティクスの働きがあります。そのため一緒に食べることで腸内環境を整える作用が格段にアップします。きのこを使った料理の味付けに、塩麹や醤油麹などの麹菌を含む調味料を使うことで手軽に組み合わせて食べることができます。

トマト

トマトには、赤色のもとであるリコピンをはじめ、ビタミンC、Eなどの抗酸化作用の高い栄養素がたっぷり含まれています。夏の暑い日だけでなく、春先や曇りの日にもたくさん降り注ぐ紫外線。この紫外線を受けると身体は酸化してダメージを受けるので、トマトを食べることで酸化を回復し、老化防止や美肌効果が期待できます。

人参

人参に含まれるカロテンには、肌だけでなく粘膜や目の角膜、胃腸、肺、気管などの各種臓器の上皮細胞を健康な状態に保つので、免疫力を高める効果があります。抗酸化作用も高いので、老化防止や抗がん作用も期待されます。

豚足

豚足は皮や軟骨からなり、コラーゲンやエラスチンが豊富な部位です。薬膳的効能的には潤燥と言って、身体に潤いを与えて乾燥を防ぐ効果があります。美肌効果や髪を美しくする効果が期待できます。また母乳の分泌を高めたり、産後の体力回復効果もあります。

ビール

タラコママ
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なんとビールにも美肌効果が!?

そうなんです。ビールは大麦麦芽をビール酵母で発酵させ、ホップで風味づけされて作られています。ビール酵母や麦芽には美顔効果があり、ホップには女性ホルモンのバランスを整える作用があります。ビール酵母は通常、製造過程で濾過されてしまうので難しいですが、無濾過ビールであればビール酵母を摂取することができます。缶や瓶に記載されている表示を見ると無濾過と書いてあるので、ぜひ探して見てください。


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その他の美肌効果のある食材

かぼちゃ、枝豆、おくら、カリフラワー、しめじ、ライチ、レモン、松の実、大豆、パセリ、牡蠣、すっぽん、鯛、ヒラメ、牛すじ、梨、牛乳、日本酒など

肌荒れ

もも

夏に旬を迎える食材は身体を冷やすものが多いですが、ももは夏の果物であるにもかかわらず身体を温める作用があります。身体を潤す作用もあるため、腸の潤い不足による便秘や肌荒れの改善にも効果があります。を補うので、疲労回復や夏バテにも効果的です。ももの種子は桃仁(トウニン)という生薬で腸を潤す作用があり、便秘に効果的です。桃仁は瘀血の改善に効果があるのでシミやそばかすを改善します。桂枝茯苓丸にも桃仁が配合されています。

あんず

あんずには肺や肌を潤す作用があるので、咳や喉の渇きの改善、美肌効果が期待できます。また、あんずの種は杏仁(キョウニン)という生薬で知られていて、咳止めの効果が強いです。色々なタイプの咳や喘息に用いることができ、喘息の発作を和らげ、咳を鎮めて痰の絡みを改善する作用があります。

まとめ

肌のトラブルを改善することができる食材はたくさんあります。今回はその中でも、取り入れやすかったり効果の出やすいものに絞ってご紹介しました。昔は、食材も漢方薬もどちらも「食べ物」として扱われ、区別はありませんでした。口から入るものがいかに大切かということがわかります。

自身の生活に取り入れることはもちろん、薬剤師の方であれば服薬指導の際に症状に合わせてこういったワンポイントアドバイスがあると患者様にとても喜ばれます。また、エステや美容関係のお仕事をされている方にも東洋医学の考え方はとても役に立つと思います。ぜひ実践してみてください。

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漢方薬の勉強は奥深くとても楽しいものです。12年間その調剤に携わってきましたが、まだまだ知らないことがたくさんです。ライフイベントによって生活環境が変化し、やむなく退社した薬局でしたがいずれ現場復帰するときは、またたくさん学びのある薬局に出会いたいです。今の職場で吸収できることはもうないかも、スキルアップに興味があるという方はぜひこちらから登録して、専門分野のある病院や特色のある薬局を探してみてください。人生100年時代。たくさん学んで楽しくお仕事していきましょう。

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