こんにちは薬剤師タラコママです
気血水(きけつすい)という言葉を聞いたことはありますか?漢方薬の勉強を始めると、最初に耳にする言葉だと思います。「気血水」とは生体を維持する三要素のことです。「気」は命のエネルギー。「血」は体の中の赤い液体で血液とほぼ同じ意味です。「水」は無色の液体を指します。
この気血水はお互いに影響しあっていて、それぞれ少なくても多くてもダメ。過不足なく循環している時、身体は健康な状態を保つことができます。
「血」の役割
血の読み方は「ち」ではなく「けつ」だよ
「血」は全身をめぐり身体中に栄養を届けます。しかし「血」自体には身体をめぐる力はなく「気」によって導かれると考えられています。女性の場合はこの「血」によるトラブルが多くみられます。「血」のトラブルを解決すれば不調が改善されることも多くあります。
「血」の異常は大きく分けて2種類
「血」の異常は大きく分けて2種類あります。「血」が量的に不足している状態を「血虚(けっきょ)」と言い、流れが停滞している状態を「瘀血(おけつ)」と言います。
血虚の症状
身体に栄養と潤いを与える「血」が足りていないだけではなく、「血」を作り出すエネルギーも不足している状態です。消化吸収力が低下している状態で、下記のような症状が出てきます。
・貧血
・倦怠感
・低血圧
・めまい
・息切れ
・冷え
・精神不安定
・睡眠の質の低下
・肌の乾燥
・髪のパサつき、抜け毛
・つめが割れやすくなる
血虚を改善する方法
「血虚」は血が不足している状態なので、補う必要があります。血液成分を補い、血液不足または血行不良によって起こる貧血、倦怠感などの諸症状の改善をはかる薬物のことを補血薬と言います。
無理なダイエット、目や脳の使いすぎ、朝食抜き、夜更かしなども血虚の原因になることがあります。不規則な生活を正すことも血虚の改善につながります。
血虚に対する方財
瘀血の改善に使われる「当帰芍薬散」は補血剤としての作用も持ちます。「当帰芍薬散」を筆頭に「加味逍遙散」「温経湯」「芎帰調血飲」などは婦人科で使われる頻度の高い方剤で、どれも補血作用を持っています。「芎帰膠艾湯」などのヨモギを含む方剤も補血作用をもつとして有名な方剤です。
血虚の方におすすめの漢方茶
漢方薬として処方されることもある「艾葉(ガイヨウ)」とはヨモギのことで、食品として身近に手にとることができます。漢方茶として非常に試してみやすい生薬のひとつです。また、「枸杞子(くこし)」も中華料理で使われることのある生薬で、補血作用としての効果も持ちますが、疲れ目の改善に使われることが多いです。漢方薬を試してみたいけど少しハードルが高いと感じる場合には、こういった漢方茶から初めてみるのもおすすめです。